2021-01-18

『THE CALL』鑑賞レビュー(ネタバレなし)

韓国映画との距離感がNetflixのおかげで距離が近づいた気がする。
そもそもレンタル店でも「借りて面白くなかったらどうしよう」という一か八かの賭けみたいなものがあって、まぁそれはそれで楽しかったんだけど(ハズレの時の金返せ!って気持ちとか名作見つけた時のクララが立った!みたいな気持ちとか)。

サブスクがそんな壁を取っ払った背景あって、気軽に色んな映画を見れるようになった。探し出せるって事は新たな出会いの形でいいんじゃないかな。

音楽のサブスクもそうだけど、気軽に自分が「観たそうな」映画を探せるってのは映画にとっても良い時代なのかもしれない。

予告編以外の「試し観」が許されなかった時代を生きた者としては「いい時代になったなぁー」と恥ずかしげもなく叫びたい。

そもそもやっぱり「観られるため」に作品はあると思うし、「見られることで存在する」と偉い哲学者は言ってたらしいし。

で、今日はそんな中から「時間もの」

THE CALL

「時間もの」に括られる作品は、個人的には『Back to the Futre』を筆頭に名作・駄作様々なものがあるんだけど、まぁネタが尽きないというか「生きたアイデア」で描かれている時間ものはいつみても楽しい。

先日Netflixで鑑賞した「THE CALL」

「時間」を「障壁」として扱うサスペンス。

もしも「過去(未来)」に「電話」が繋がったら。ということで、実際の身体はタイムスリップしないものの、「電話機」という媒体だけを通じ、「会話の先で」20年前の過去と未来が繋がるという設定。

なるほどね。夢がある。もし自分が未来側にいて過去の誰かと電話がつながるなら、未来のことをいろいろ教えてあげたいかも。

この1点で捉えるとハートウォーミングな設定として色々なシナリオのアイデアが思いつきそうな設定。

実際作中でもそんなシーンもいくつかある。
過去につながった少女が好きなアーティストが未来でどんな曲をリリースしているのかを受話器越しに聞かせてあげたり。(その曲がなんともダサい。)

で、ここに「サスペンス要素」を追加。

もしも、電話の先に繋がる相手が「サイコキラー」だったら?
そのサイコキラーが過去に命を落とすはずが、未来の自分の電話が原因でその命を救ってしまったら…?

ここから眠気も吹っ飛び一気に鑑賞。

次々と主人公の過去が電話の先で改変される中、未来から自分ができることは「電話の声を届ける」だけ。

圧倒的未来の無力化。成す術もなく破綻していく未来。

時間ものに関して「未来改変」は可能か、不可能かの議論は尽きないが

2021年、宇宙の旅が実現されようとする最中でも「タイムトラベル」にはまだまだ未知の可能性と描くことのできる余白に満ち溢れている。

この作品は時間をこう捉えますね!という定義と見せ方さえきっちりと描かれていればこうも違和感なくサスペンス要素を楽しめるのかと大満足させられてしまった。

「電話の声」って意外と情報量に欠ける。
その分、聴き手の想像力が受話器の奥の世界を補う形になるわけで。

自宅の固定電話の文化も消えゆく中で貴重な設定として描かれ残された作品になるのでは。

「スマホが過去に繋がる」って設定は…あまり見たくないもんな…

タグ: ,
関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です