2020-01-06

『マスカレード・ホテル』鑑賞レビュー(ネタバレ若干あり)

「保釈中のカルロスゴーンが国内逃亡!」
どうも、こんにちは。McFly ( @HI-ENDBLOG ) です。
事実は小説よりも奇なりとは言うもののついに事実がその垣根を越えてしまい映画業界のシナリオに至っても大どんでん返しのハードルが上がりきったこの年末年始。
たまには旅行でも、ついでにリッチなホテルで悠々自適な時間を、なんてお財布の余裕もすからけっち〜なのでお家で『マスカレードホテル』を観て1泊した気になりました。

こんな感じでまとめてます➡️

あらすじ

現場に不可解な数字の羅列が残される殺人事件が3件発生。警視庁捜査一課の刑事・新田浩介(木村拓哉)は、数字が次の犯行場所を予告していることを突き止め、ホテル・コルテシア東京で4件目の殺人が起きると断定する。だが、犯人の手掛かりが一向につかめないことから、新田が同ホテルの従業員を装って潜入捜査を行う。優秀なフロントクラークの山岸尚美(長澤まさみ)の指導を受けながら、宿泊客の素性を暴こうとする新田。利用客の安全を第一に考える山岸は、新田に不満を募らせ……。

https://movies.yahoo.co.jp/movie/364876/

評価

★3(星10段階評価)
:自宅鑑賞

あっさり感想

・木村拓哉が演じる役は木村拓哉以外無理なんです。
・伊藤英明が主演なら全員殺してた。
・2時間で測れるアナタのクレーマー度診断機能

ガッツリ批評

キムタクが好き!

「何演ってもキムタクだって言われるからね」

とある番組で本人がこう語っているのを観たことがあるが、こんな器用で奇妙で魅力的な役者はそうそういないと感じている。恐らく木村拓哉が演じる事でどの作品のスクリーン上に生まれる独特の「緊張と緩和」が視聴する側にそういう印象を与えてしまうのだろう。知らんけど。

マスカレードホテルの木村拓哉は「潜入捜査の刑事であり扱い難い厄介者。正義の名の元に己の直感を信じる一匹狼気質ながらも仲間の筋を通すためには拳も抑える漢気に満ちた」なんていう役所。一言で表す所の「イケメン」なわけでこういう配役こそが「=キムタク呪縛」にはまる要因な訳だろうけど、2時間通して見るとやっぱりこういう役って木村拓哉以外成立しないわけですよ。要するに『木村拓哉が演じる役は木村拓哉以外演じる事が出来ない』なってのを最近の作品を観てつくづくそう感じさせる名役者だなぁと思います。

で、今回のビストロSMAPじゃなくてマスカレード・ホテルは。

MIZE
豪華ホテルでまったり1泊した気になった?
McFly
その予定が…
MIZE
顔色が悪いけど…あとお尻もでかい。
McFly
いや、泊まる客泊まる客みんなクレーマーか厄介者で(尻のデカさは関係ねーわ)
MIZE
でもお客様は神様なんだろ?
McFly
。。。

と言うわけで、「プロフェッショナル-仕事の流儀-」に密着されてもおかしくないほど一本筋の通ったホテルフロントマン長澤まさみと厄介客との異種格闘技戦を観戦。途中乱入スタイルで潜入捜査員フロントマン木村拓哉による場外乱闘も繰り広げられながら、物語は進行。「怪しい人物」たちが入れ替わり立ち替わりチェックインのめまぐるしい2時間12分。

果たして連続殺人現場に残されたメッセージの解読通りにこのホテルに容疑者は現れるのか?

ブレ始めるストーリー軸

しかし次から次へと捜査の邪魔をする腹の立つクレーマーたち。
主役が伊藤英明なら全員殺してたと思う。

映画「悪の教典」

この映画を見て気付かされるのは「お客様は神様です」なんて誤った価値観に未だあやかりながら勝手な注文、難癖を押しつけ己の欲求を満たす人間のあまりにもみすぼらしくおぞましい姿だ。

物語の主軸とは完全にずれてしまうが、真犯人を観客に推理させるミスリードとして登場する彼らクレーマーたちの存在があまりにも際立ちすぎて、この物語の要である殺人鬼の登場があまりにも霞んでしまった上に、東野圭吾作品特有の「殺人の動機」に垣間見える「容疑者の哀愁」に触れてしまうと、

McFly
これってさっきまで出てきたクレーマーたちの方が異常なんじゃ…

と、作者の意図せぬ方向に気持ちが大きく傾いてしまい「殺人」という越えてはならぬ選択肢に容疑者なりの正当性を感じさせられてしまう。

McFly
もっと爽快に騙されたかった!!

そもそも潜入捜査に関して突っ込まざるを得ないのは

McFly
捜査本部が潜入捜査する前にチェックインリストを事実か虚偽か事前に照合していれば真犯人を事前に洗い出せたんじゃ。。。

なんて野暮なご意見は置いておいて、小説だからこそ読者の想像力を騙して成立していた巧妙なトリックが映像化する事で粗が目立ってしまう部分があまりにも多すぎ、作り手の目指すところの「大どんでん返し」が「すってんころりん」状態に。

McFly
裏切って欲しいのに裏切ってくれないもどかしさ!!

例えば「名役者が特殊メイクさせられている」という演出から「あ、この人がキーマンなんだろうな」という思惑も裏切ってはくれない。

緊張の糸が張り詰めるサスペンスシーンに関しても丁寧に『ここ覚えておいてくださいね』と分かりやすいカット割での伏線を示す演出。

McFly
分かりやすい!あまりにも分かりやすすぎる!!

ここにきてハッと気付かされる。

私が散々この映画にやいのやいのと文句を言っているのは映画序盤に「禁煙室を予約したのに部屋がタバコ臭い」と明らかに捏造した異常なクレームによりスィートルームへのグレードアップを獲得した濱田岳クレーマーと同じ事をしているのでは。。。。

MIZE
ふふふ。気づいてしまったか。
McFly
ま、まさか。。。!
MIZE
その通り。クレームの連鎖反応。お前はこの映画を見てクレーマーになれるのかい?
McFly
ぐぬぬ。あいつらと一括りにされたくない。
MIZE
ならば褒めよ。この作品を褒めるのだ。
McFly
うああああ!!!とても面白かったですー!!!!

とんでもないトリックに引っかかった。

こんな人にオススメ

・ホテル業界に興味のある方
・自分はクレーマーじゃないと確固たる信念を貫いている方
・厳しく指導される木村拓哉を見たい方

作品詳細

映画「マスカレード・ホテル」公式サイト

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