『サイコキネシス—念力—』鑑賞レビュー(ネタバレなし)
どうも、こんにちは。McFly ( @HI-ENDBLOG ) です。
「新感染:ファイナルエキスプレス」のポストアポカリプス続編の「新感染半島:ファイナルステージ(ダサい邦題)」がブログ執筆時点で劇場公開中ですが、今日はNetflixで出会った同監督ヨン・サンホ作品「サイコキネシス—念力—」
ビジュアルで思わず後回しにしてしまいそうになった作品。
観ておいて良かった掘り出し物のため急遽ご案内。
こんな感じでまとめてます➡️
あらすじ
突然超人的な能力に目覚めた父親と、大切なものを守るために必死で戦う娘。
Netflix「サイコキネシス—念力—」より
頼りない中年男はスーパーヒーローになれるのか。
すべてを賭けた戦いがいま幕を開けるーー
評価
満足度 ★8 (星10段階評価)
:Netflix鑑賞
あっさり感想
・吉本新喜劇に負けず劣らずの人情コメディ
・スーパーパワーを「ダサく」捉える新解釈
・サブのサブまで役者が上手い。どうなってるんだ韓国の役者事情は。
ガッツリ批評
後々深く説明される事のない「とある」きっかけでスーパーパワーを手に入れた中年警備員。
この「とある」が本当に「とある」レベルでサラサラサラっと流れ流れて忘却の彼方に葬られる程「とある」流れで伏線厨にはけしからんと怒られそうなほど、おじさんにスーパーパワーを与えて気持ちの良いほど見事に去っていく。
たぶんこの作品にとって「深堀り」なんかはどうでも良くて、とにかく「この面白い役者に面白い設定で演じさせたい」という監督側の欲が見えなくもないくらい主演のおじさんリュ・スンリョンがとにかく「笑える」作りになっていて”DON’T THINK , FEEL”精神。嫌いじゃない。むしろ好き。
本当に疲れているけどとりあえず何も考えず映画見たいって時にはこの程度の設定が心地いい。この感覚はそう、土曜日の昼の吉本新喜劇がそれである。
・疎遠になった娘が働く商店街が再開発計画による危機的状況
・ヤクザ並に荒々しい建設業者による悪質な嫌がらせ
・抗争の末、事故により命を落としてしまう母親
・果たして商店街は再開発事業に立ち向かうことができるのか
と、まさに喜劇にもってこいの人情物語が展開し、
離婚の末疎遠になっていたこの父親である中年警備員が母の葬儀に現れる事で物語は推進していく。
それまで彼に備わっていた能力といえば銀行内のお客様用のインスタントコーヒーや共用備品のトイレットペーパーをこっそりとくすねる技程度。
自分でも気付いていない自らに備わったスーパーパワーがこの商店街再開発抗争を壮大なるフィナーレに導いていく事になるわけで。
という部分もひっくるめて実はどうでもいい。
吉本新喜劇を見ていて、
「やっぱりすち子さんはエエこと言わはるわ」とか
「今日の川畑座長の一言で泣いた」とかを感じたことがあるだろうか。
ない。ないのである。
「あー面白かった!」を終わってから最後に一言。
まさにこの作品はそのタイプの作品で、それで充分。
ただその最後の一言のために全力な作品でそれで完成。
すち子さんのような「キャラもの」を1人しっかりと軸として立てて、他の出演者はキャラを濃く彩ることなくとはいえ個々の個性はしっかりと、緊張と緩和をバランス良く配分し、ドラマを締めてオチをとる。
念力で数々の敵をダサくなぎ倒す。
格好のつかいないおじさんの物体浮遊。
サイコキネシスの使い方のアイデアに乏しい硬すぎる中年脳。
素晴らしい「色物」である。
このキャラクターたちの巧妙なバランスが「映画の中で取れる」という驚きも含めて、さすがはこの後「新感染:ファイナルエキスプレス」を生み出すヨン・サンホ監督の力量。
物語もキャラも渋滞を起こさせないままシンプルに大胆に2時間走りきる。
果たして、商店街の運命は?
綻びた親子の絆は再び結ばれるのか?
とかも本当に「どうでもいい」お話なのである。
こんな人にオススメ
・スーパーパワーを意図せず身に付けてしまった中年男性
・サイズSのカップにコンビニコーヒーをなみなみと注いで捕まった人
・都市開発事業の重責を担ったキーパーソン
コメントを残す