『キッズ・イン・ラブ』破った殻の先にある可能性とその代償(ネタバレなし)
どうも、こんにちは。McFly ( @HI-ENDBLOG ) です。
本日はTSUTAYAで借りた「キッズ・イン・ラブ」の鑑賞後レビューです。青春て眩しい。
あらすじ
大学入学をひかえた夏休み。
ジャックの予定といえば、親が勝手に決めたインターンシップがあるくらい。いつも「人生にはもっと“何か”があってもいいはず!」と口にしながらも自ら行動はせず、冴えない日々を過ごしていた。しかし、そんなある日、美しいイブリンと出会ったことで、ジャックの人生は一変して輝きだす―自由奔放なイブリンと、ハイクラスな仲間と過ごす刺激的で充実した日々。
この華やかな世界が、ずっと続くと思っていた……
Filmarks 映画「キッズ・イン・ラブ」
こんな感じでまとめてます➡️
評価
満足度 ★ 7 (星10段階評価)
:DVD鑑賞
あっさり感想
・真面目な自分に対するアンチテーゼの感覚を理解できるかどうか。
・instagramで見るようなドラマチックで華やかな青春眩しい画作りとサウンド。
・「選択」することに対する責任や代償に関しては多くを語らない口うるさくない青春群像劇。
ガッツリ批評
個人的なお話から入りますが、僕は中学を卒業後”高専”という5年間の工業専門学校に通っていました。「ロボコン」なんかで有名なあの学校です。
各高専によって異なりますが、大きくは電気・機械・化学・土木これら各コースの専門課程が設けられ、基礎学力に加え、専科に応じた専門学力や技術を学び、習得しその道のプロフェッショナルを目指すというシステム。
厳しい進級基準が設けられてはいますが、無事に卒業さえ出来れば「就職率ほぼ100%」「国立大学3年次編入も可」という、非常に将来的な条件に恵まれた条件設定。
僕が在籍していた就職氷河期の当時でも、就職率100%・編入率100%を軽く達成しており、しかも就職先は誰しもが一度は耳にした事がある有名企業ばかり。求人倍率はなんと15倍を超えていました。バブルかよ。(調べたら今も16倍以上のようです。これぞ現存する売り手市場)
学費は公立校よりも安く、地域によっては寮も完備!(平日3食飯付きで1ヶ月3万円でした)
僕がもし子を持つ親なら『高専行け』と迷わず勧めるだろうなという程にハイパー好条件な学校です。
ところがどっこい、卒業を控えた当時の僕は就職も編入の道も選ばずに「芸大進学」の道を選びました。
高専がここまで素晴らしい条件が整っているのは過去の卒業生たちがいかに卒業後、それぞれの畑で活躍され、功績を残し、それが社会で評価され「高専の学生を採ろう」という当然のような現状を歴史の中で築き上げてきたのだ事は言うまでもないのですが、天邪鬼な性格と自分の可能性に挑戦したい思いに駆られ、レールの上を歩む事を辞め、全く新たな道を歩む事を決意したのです。
若気の至りな判断と意志表示にも関わらず理解を示し、この想いを支えてくれた両親には感謝以外の何物にも変えれません。(確かに未だに親孝行にも変えてもらってないとツッコまれそうだけど)
当時を振り返ると多分に自分のアイデンティティと向き合い、ひたむきに挑戦する事の重要性を感じますし、仮に挑戦しなかった場合の後悔を想像すると恐ろしくなります。
もちろん、就職や編入を選択した仲間たちも彼ら個々の挑戦であり、人生の分岐に立った将来の選択の難解さに教室の中では日々議論が絶えませんでした。
本作の中でも自分で選択を行い続ける事に対する責任や犠牲・代償の存在もほのめかされます。奔放に見える「自由な生き方」が、いざ自分に立ち戻った時にいかに苦しみの代償があるのか。人生を自分らしく彩るためにどういった価値観を選択し、描く材料とするのか。
無限の可能性の分岐点で悩める少年の葛藤にまるで過去の自分を投影し、懐かしさとはがゆさを感じました。(きっと同じ感覚に陥る人もいるはず)
主人公であるジャックは「親が理想とする」真面目な好青年を続けてきた一方で、”i-Dマガジン”を購読するような自分とは真逆の煌びやかな世界や表現を憧れの対象としている少年。
ぼんやりとした「何者かになりたい」想いを持つ中で、「自由な選択肢」で生きる魅力的な同世代の可愛い女性に出会い、その出会いをきっかけにハイクラスな仲間との交友から徐々に垢抜け、過去の自分を脱ぎ去っていきます。
若さゆえの判断に対する代償や犠牲。
眩しい光景の中にも落とす影があるという事。
出逢いの中で紡いだ経験を元に自分の挑戦を忘れない事。
シンプルな青春物語であり、大人の意見は大人になってから考えろという潔さもありつつ、人生の選択におけるヒントや励まし、メッセージが上手く散りばめられています。
恋するこども達。
深いことは考えず、ただこの華やかで美しい映像と、選曲が冴える音楽に心を委ねるだけでも充分に価値がある作品です。
単純に登場するかわいこちゃんにいちいち心奪われたり、イケメンにうっとり出来るといった要素も。
たったの88分。気になりましたご観賞あれ。
こんな人にオススメ
・人生に悩める10代、悩んだ20代、悩んだ過去を持つもう大人の皆様
・インスタ大好きなインスタグラマー様
・自分もリア充と呼ばれたい嫉妬心薄めの非リア充様
作品詳細
映画「キッズ・イン・ラブ」クロックワークス公式サイト
Filmarks映画「キッズ・イン・ラブ」リンク
2017年7月29上映(2016年製作) / 製作国:イギリス / 上映時間:88分 / ジャンル:ドラマ
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