2018-06-07

『恋は雨上がりのように』オジサンにも青春時代があったんだ

恋は雨上がりのように恋は越えていく壁がある方が面白い。
どの口が言うてんねん。どうも、こんにちは。McFly ( @HI-ENDBLOG ) です。
今回の映画は、45歳のおじさんが17歳の少女に恋する危ない物語ではなく、
17歳の少女が45歳のおじさんに恋しちゃう危なっかしい物語です。

評価

満足度★7(星10段階評価)
:劇場鑑賞

あっさり感想

・疾走感の喪失と再び蘇る疾走感。恋も夢も立ち止まった時が苦しいなんて甘酸っぱいな!この野郎!
・おじさんに恋する事のウェイトから外れた所にテーマがある観なきゃ想像できなかった物語の重心が素晴らしい。
・小松菜奈が演じる「女の子」がとにかく可愛い。正義。

ガッツリ感想

僕の齢が2018年現在で33歳。
17歳は16年前。
45歳は12年後。
ということで「なんとなくどっちも分かる!」というもどかしい立ち位置で勝手に鑑賞。
まぁお前が17歳の少女の恋心をどうのと語るなよという気持ちももちろんあるんですが、
はぁーーっ!!甘酸っぱい!!
この映画を見届けるにはピッタシの年齢で見届けた気がしました。

冒頭から神聖かまってちゃん「フロントメモリー」をBGMに高校からバイト先へ疾走する少女をリズミカルに描く爽快で意外なオープニング。
もうこの時点でサブカル中年おじさんの心も掴まれとるというわけで、
行定勲監督作品「GO」、ユアンマクレガー主演作品「トレインスポッティング」、ウォルターヒル監督作品「ベイビー・ドライバー」しかり青春時代はいつでも全速力で駆け抜けてこそ清らかなんですよ。ほんと。最高。

そしてこの少女を演じる小松菜奈の走りや、ランディングがとにかく美しい。
圧倒的可愛らしさで、圧倒的正義。
僕の席の隣に座ってた女の子二人が「かわいい〜」言うてましたよ。
僕もね、許されるなら口に出して言いたかったですよ。
この行動が許されるか許されないかが女の子とオッサンの距離やと思うんですよ。

小松菜奈に関してはこの映画の軸となる「青春止まらねぇ感」の大黒柱として
古代ギリシャの女神の彫刻さながらに、全ての行動を肯定させられてしまうほどの美しい立ち振舞いで
45歳はともかく女子高生以外は全否定してんじゃねーかと言うほどの説得力を持っていました。

制服姿でバイト先まで駆け抜けたかと思いきや、
髪をキュッと縛り上げ、お次はウエイトレス姿でそつなく接客をこなす。
思わずポップコーンを貪る手を止めて見惚れてしまう33歳。
無愛想ながらもあまりの魅力に兄ちゃんグループ客がざわつくカットで、「あ、僕もあの中にいるな」と。
危うい約3分間。この冒頭で100点出てました。

物語はというと「恋する事」がテーマのシナリオかと思いきや、
青春の1つの代名詞でもある「部活動」をフィールドに女子高生たちが熱い友情や闘志を燃やしながら
ぶつかり、助け合いながら一度は背を向けた夢に向かって障害となる壁を
「越えていく事」がテーマとなるという観なきゃ分からなかった青春の重要な骨子が煌びやか。
その辺のキラキラドキュンムービーとは一線を介するシナリオでありながら、
その壁に対峙した時に重要となるファクターがこのバツイチ子持ちの45歳ファミレス店長の男との関わりから生まれるという
絡み方が本当に巧妙なバランスで、「良い出逢いだな」と思わせてしまう説得力が素晴らしい。
なんとも大泉洋演じるこのおじさんが絶妙に愛らしくもあり、
「あ、やっぱりその辺の汚ねぇオジサンじゃ成立しないよな」と安堵感も。

彼女の人生の今後の重要なファクターになり得る「部活動」を介した友情物語には、おじさんとの恋がトリガーに。
おじさんとの恋には、同じバイト先の調理バイトのイケメンナルシストの先輩がトリガーに。
そして青春を置き去りにしていた45歳のおじさんの夢の再始動には少女の猛アタックがトリガーに。

「青春なう」と「あの頃は」の比較とぶつかり合いが見事。
理由なく何事にも疾走してゆける17歳。
何事にも理由が必要になる45歳。
埋まらないこの差が悩ましい。

雨の日は傘の分だけ距離が生まれ、
同じ傘に入ってもやっぱりどこか濡れてしまう。
そんなもどかしい恋や青春が優しく包み込まれた

最後にこの映画にとって非常に重要な「オジサン」の定義を崩さず保てた功績として
濱田マリの演出を絶賛したい。

関西もようやく梅雨入りしたとの事。こんなしっとりした映画もたまには良いんじゃないでしょうか。

こんな人にオススメ

・10代青春真っ盛り
・20代夢にまっしぐら
・30代子供オジサン
・40代ファミレス店長は勘違いするかな観ない事をオススメ。

作品詳細

映画「恋は雨上がりのように」公式サイト
Filmarks「恋は雨上がりのように」リンク
2018年5月25日上映(2018年製作)/日本/上映時間;111分/ジャンル:ドラマ

関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です