2018-03-13

『ボン・ボヤージュ~家族旅行は大暴走~』映画版もしもシリーズ(ネタバレあり)

もしもお家が映画館だったら?最高!
どうも、こんにちは。McFly ( @HI-ENDBLOG ) です。
本日は、フランスコメディ映画『ボン・ボヤージュ~家族旅行は大暴走~』のレビューです。
気楽に面白い映画を見るってだけで満たされるものがありますよね。
深みも何にもない(失礼か)そんなジャンルを縛らない誰にでもお勧めしたい作品です。
レビューも是非チェックくださいね!

評価

満足度 ★7 (星10段階評価)
:劇場鑑賞 & U-NEXT鑑賞

あっさり感想

・日本にもあるじゃん!と半ば悔しくもなるフランス産コメディに見る邦画への期待感
・ロバートダウニーJr似のだらし無いお父さん徹底して叩きまくる爽快ムービー
・上映時間92分!それ以上でもそれ以下でもない丁度良さ!

ガッツリ批評

2017年、120本鑑賞した中で最も「ホッコリ」したフランス産の暴走家族コメディ。
頭のチャンネルを「コント仕様」に切り替えると、これがなかなか見応えが。

これもう完全にドリフの「もしもシリーズ」で語れるわけです。
2時間のドリフ。逆転の発想ではドリフのコントって映画になるじゃんと。
ドリフ的な表題を付けるとすると『もしも家族で乗った車が暴走したら』
この1点張りで92分怒濤のボケ倒し。
懐かしのコント設定にどこか愛着を感じました。

キャラ設定には、
・口だけで頼りない金持ちお父さん
・しっかり者で何か秘め事を隠す臨月お母さん
・クレイジーで口達者な思春期娘
・とにかく可愛いタラちゃん的息子
・女たらしで責任感のない適当おじいちゃん
と馴染み易さを詰め込んで、その他周りの守備もおバカで固めると言う徹底ぶり。

ここに時代のテーマでもある「AI」を車載装備。
速度を自動制御するハイスペックなAI技術により快適な運転でドライブを楽しむはずが、
何らかのトラブルによりAIが故障。ブレーキを踏んでも速度を落とせなくなり、
時速140kmのまま(最終的には160kmまで)高速道路を爆走し続けるまさに「走る棺桶」と化すという自体に。
家族を乗せた悲惨な車内を舞台に家族の絆が壊れるのが先か、渋滞に突っ込み車もろとも壊れるのが先か。

悲壮な状況ゆえに生まれる悲劇。
悲惨な状況ゆえに明らかになる真実。
またトラブルがトラブルを生み出すスパイラル構造。
巻いた種が思わぬタイミングで開花する伏線構造。
バカの壁の向こう側に秀逸さが垣間見えます。

この映画を「笑い」という切り口だけで読み解くと、
小ボケや大ボケをテンションとリアクションのみで処理していくスタイルでありながら
そのロジックやテンポはフランスさながらに、ある種のぶっ飛んだ行動や衝動は世界共通認識のものなのだと気付かされます。

これが何を意味するのか。

前述した「もしもシリーズ」では国が誇る伝説のコント師たちが築き上げた笑いの文化が日本にはあります。
あるあるな状況における、奇想天外の妄想創作は日本人の得意とするところ。
要するに、この映画が「ウケる」のであれば、日本の笑いは世界で「ウケる」はず。
フランスコメディ映画で笑いながらも、邦画コメディへの活路も同時に見出せる悔しさに駆られる作品ではありました。

さて、暴走棺桶に閉じ込められたファミリーに待ち受ける顛末は。
充分なトラブルに巻き込まれたにも関わらずこの家族にはどうも同情が沸きません。
なぜか生還したこの家族のみが幸せを掴み取り、不運にも彼らの生み出したトラブルに巻き込まれた数々の被害者たちへの救いがコンマ1秒も描かれません。
ラストカットでは追加制裁的に再びAIトラブルに巻き込まれてフィナーレを迎えるわけですが、
この事件をきっかけに何の成長も出来ていないこの家族にはこの先待ち構えるどんなトラブルも反省材料にはならないのではと落胆してしまいます。

やっぱりコントにはコントなりの幕引きが、映画には映画なりの幕引きが必要であると感じさせられました。
それでは、だらしの無いコメディも引き締まる魔法のキャッチフレーズで締めさせていただきましょう。

「ダメだこりゃ」

こんな人にオススメ

・新車購入を検討されている方
・いつまでも少年の心を持っていたいお年寄り
・アンチAI民

作品詳細

映画「ボン・ボヤージュ 家族旅行は大暴走」公式サイト
Filmarks映画「ボン・ボヤージュ 家族旅行は大暴走」リンク
2017年7月22日上映(2016年製作) / 製作国:フランス / 上映時間:92分 / ジャンル:ドラマ・コメディ

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