2018-02-16

『アメリカンヒーロー』宝の持ち腐れに求められる資質(ネタバレなし)

AmericanHero

どうも、こんにちは。McFly ( @HI-ENDBLOG ) です。
本日はTSUTAYAで借りてきました「アメリカン・ヒーロー」鑑賞後レビューです。タイトルを過信しすぎたぜ!

あらすじ

特殊なパワーを持つ能力者のメルヴィン。
酒と女とドラッグに目がなく、パーティー三昧の日々を送る彼は、ろくに仕事もしない実家暮らしの超ダメ人間。せっかくの特殊能力も、小遣い稼ぎの大道芸ネタに使うだけ…
しかし、別れた妻に親権を奪われ、息子に近づくことすらできなくなったメルヴィンは、過去の愚行を洗い流し、生まれ変わることを宣言する。そしてトレーニングに励む日々が始まったーー
Filmarker「アメリカン・ヒーロー」より

評価

満足度 ★4 (星10段階評価)
:DVD鑑賞

あっさり感想

・才能を活かすも殺すも己次第
・やるもやらないも己次第
・でも仲間や家族の励ましって背中を押す事ってあるよね

ガッツリ批評

「お前ならきっと出来るから絶対こうするべき!」
というもはや定型文と化したお節介フレーズ。
第三者視点から才能を活かしきれていない他者に対する小さな親切と余計なお世話。だいたいこう言われてしまう時点で自分でも気付いてるんですよ。皆さんも経験あると思います。ただ、自分の気持ちが乗ってない時ほど、他人のアドバイスにイラっとする気持ち。言われれば言われるほど逆のベクトルに向かいたくなる気持ち。分かるなぁーっ。

彼の場合の「才能」というのが「テレキネシス」
周囲の物体を楽々と浮遊させ、
自由自在に動かせる「スーパーパワー」

アメリカ版ヒーローのフォーマットに変換すると、こうした類の力に目覚めている奴は2つの派手な選択肢を迫られます。
世界を救うか、破滅させるかです。
でも彼は何もしない。何のためにも使わない。

離婚調停で息子の親権を取られ、夜な夜なダンスパーティー、酒とドラッグに溺れる日々を過ごすこの底辺男はテレキネシス「ぐらい」の超能力では全く舞い上がりません。このどうしようも盛り上がらないぐうたら男の人間性を周辺住民のインタビューなども交えて掘り下げて行きます。2007年に制作されたダウンタウン松本人志監督「大日本人」が全くこの構図でした。(大日本人には救いがあまりありませんでしたが..)

誰もが彼の「才能(スーパーパワー)」こそが彼自身を再生する唯一の手段であり、周囲の愛を傍受する糸口だと感じていますし、彼自身ももちろんその可能性に気付いてはいます。
力を酷使することによる身体への影響という犠牲や恐怖も付随しますが、チャレンジに億劫になる主人公に見ているこちらがイライラ。

「何でこんな自分の弱い部分を投影するかのような奴をわざわざ映画で観にゃならんのだ!もっとアメリカンなヒーローを期待したのに底辺の男が重い腰をあげるまでを見守る物語じゃないか!!カァーーッ!!」
僕の中の波平さんの部分が雷を落としました。

誰もが羨む才能を持てども、才能を活かすも殺すも己次第。
やるもやらないも己次第。
救いを求めているようなタイミングで観たら途中で停めてたかも。。

ただ彼が誰にとってのヒーローになったのか。

これはとても重要な部分です。
辛い心境の先に登りかけの朝日のような淡い光が灯る瞬間には美しさがありました。

でも僕は知ってる。
安室奈美恵がそんな弱さも持つヒーローの資質を3分ぐらいで上手く表現した歌を歌っている事を。

こんな人にオススメ

・才能を確実に手持ち無沙汰にしてしまっている方
・いや、派手なスーパーパワー物を逆に観たくないねんという方
・「大日本人」好きな方

作品詳細

映画「アメリカン・ヒーロー」
Filmarks映画「アメリカン・ヒーロー」リンク
2017年8月1日上映(2015年製作) / 製作国:アメリカ / 上映時間:86分 / ジャンル:ドラマ

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