『ボブという名の猫 幸せのハイタッチ』史上最高峰猫映画(ネタバレあり)
猫派。
どうも、こんにちは。McFly ( @HI-ENDBLOG ) です。
わんちゃん映画って猫映画と比べるとやっぱり多いですよね。
猫の性格は自由気ままなのでなかなか思った画が撮れないというのが理由なんだとは思いますが。
でもあまり媚びてない猫の映画も見てみたいなぁーと思ってた矢先に出会いました。
昨年劇場公開されたこちらの映画が史上最高の猫映画でしたのでご紹介いたします。
こんな感じでまとめてます➡️
あらすじ
ロンドンでプロになる夢破れたミュージシャン、ジェームズ。
路上生活、薬物依存、家族離縁。
薬物依存更生プログラムを受けながらも人生のラックから見放されたかの様な生活の中で
突如一匹の茶トラ猫が彼に寄り添い生活を共に過ごすことに。
ボブと名付けられた風来猫が奇跡を巻き起こし、1つ1つの困難に対峙していく
1人と1匹の人生の展望が描かれる実話の物語。
評価
満足度 ★8(星10段階評価)
:DVD鑑賞
あっさり感想
・「猫映画」としては史上最高傑作!心をキャっと掴まれるハートフルムービーの誕生
・ボブ可愛いボブ可愛いボブ可愛い
・実話ベースの物語だからこそ見える社会の実態と世間の感情の濃淡。社会問題に潜む誤った形の救いの手への忠告も。
ガッツリ批評
とても恐る恐る観ました。
なぜか。我が家にも自宅警備隊として立派にその任務を全うしている可愛い猫氏(ミゼ君)がいるのもあってか、とういうかそのおかげなんですが、猫ちゃんが傷つくような演出があればもうそれはそれは心がいてもたってもいられないからです。
やはり小さな命は尊い。
ドラッグ中毒から路上生活、薬物依存更生プログラムを受けながらも弾語りとして1日をギリギリ食いつなぐ生活苦の主人公。食いつなぐ手段としては路上ライブでの『歩行者』からの投げ銭ただ一つ。
そんな生活の中で、ある日突然目の前に現れた茶トラネコが彼の人生を大きく変化させていくという、まさにエンジェルキャットなボブ。
そんな猫ちゃんが裏社会スレスレの次元に現れ、いつか危険な目に合わされるのではないかと観ているこちらのヒヤヒヤが途絶えませんでした。
結果的にそれは老婆心に終わり、一安心もふた安心もしたのですが、いやはやこの映画、本当に天使が舞い降りたかのような物語で、更には実話ベースだという事が信じられない程にハートフルに溢れつつも、『若者と薬物』また『路上生活の若年齢化の背景』というイギリスの暗い社会性にもしっかりと提唱を促す素晴らしい作品でした。
自販機レベルでドラッグに手を出せてしまうというイギリスを始め、世界に横行する闇の社会の在り方に毎回日本人の僕は驚かされてしまいます。
とにかく何よりも語るべきは茶トラ猫のボブ。
「はぐらかされる」という一方通行なベクトルが猫とヒトとのステレオタイプな関係地ですが「寄り添って、時には追いかけてきてくれる」という猫愛好家の理想郷を魅せてくれるボブの猫らしからぬ性格に僕は思わずテレビの前で悲鳴をあげてしまいました。(映画館で観てたら発狂出来なくて悶々としてたと思う)
ほんと、女子みたいにキャーキャー言いながら観ました。(気色が悪いですね)
特に『ボブ目線』で捉えられるカメラワークは殺人的アングル。
猫の主観的な視覚を疑似体験出来るというこのドリームビジョンは、以前ピクサーもCGアニメーション短編では実践していましたが、実写ではこうも汲み取れる感情が解放されるのかと。まぁ、アニメの場合も号泣してしまったのですが。この演出には無条件降伏です。
また、なんと本作でも多くのシーンは実際にボブ本人が出演しているという事も知り、芸達者さに驚いたと同時に僕もそんなボブに心を掴まれてしまった1人になってしまったのですが、やはりこの『摩訶不思議な愛らしさ』にイギリス、はたまた世界中の人々が心射抜かれてしまったのは、国境を隔てない小さな命の尊さを知るが故の愛なのではと感じるわけです。
とりわけ前述しましたが、まだボブいない時の路上ライブで彼に与えられるのは『通行人』による『慈悲的支援』による金銭的な恵みだったわけです。
しかしボブが現れ共に路上ライブを行った折には『観衆』が彼を取り囲み『感動の対価』が与えられました。
この在り方の変化は彼の様な人生の岐路において非常に重要なポイントです。
「通行人と路上生活者」という関係地やそこに引かれるカテゴライズの壁、それらがボブを介し「観客とアーティスト」という形に成り上がる事が出来た。
時を経て彼らの物語は国境を越え、あらゆる人種間の共感を得る事にも繋がりました。
たった1匹の猫がなかなか繋がり会えない心同士を取り持ったり、垣根を透明化してしまったというこの小さなキッカケの1点において、この物語は彼らのサクセスストーリーという角度だけではなく、似た境遇や不遇な社会に対する非常に柔らかな解決策が見出せるのではないかという希望さえも映し出します。
全てのドロップアウトが人生の縁に面しているのではなく、か細くも希望を失わない事、悲しくてもチャレンジを続ける事、暗闇の中でも自分を見失わない事。
そして広く優しくいられるポジティブな行為や行動こそが自らを照らす光になり得るのではないかと勇気を与えてくれます。
語らない相棒だからこそ「何か人生の目的が、運命の意図が働いているのでは」と深く考えてしまうのは
図らずしも人生を彩る重要な思考回路なのかもしれません。
にゃんにゃん。
ところで劇中、犬の存在は徹底的に悪者に描かれているのは笑えました。
ハートフルに垣根を越えることを伝えつつも、嫌いな者には徹底的に線引きしている。
まぁ犬やその飼い主のおかげで災難にもあっているわけですが、
「分かり合えないことはないんだよ」と言いながら、一方で「相容れない関係性もある」と断言している所もイギリスっぽくて笑えます。
犬派の方は鑑賞にご注意を。
猫派の方にはこれ以上ない極上のシネマです。
こんな人にオススメ
・猫と生活を共にしている方
・猫派
・猫
作品詳細
映画「ボブという名の猫 幸せのハイタッチ」公式サイト
Filmarks映画「ボブという名の猫 幸せのハイタッチ」リンク
2017年8月26日上映(2016年製作) / 製作国:イギリス / 上映時間:103分 / ジャンル:ドラマ
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