2019-01-25

『ヴァレリアン-千の惑星の救世主-』鑑賞レビュー(ネタバレなし)

他人と違うファッションを楽しみたい。
どうも、こんにちは。McFly ( @HI-ENDBLOG ) です。
オシャレをするのが好きな人って、出来るだけ他人と違うファッションアイテムを身に纏って、完全オリジナルで自分だけが表現できているスタイルの完成を日々目指してるんですよね。だから常にファッションは進化していく。
さて、何が言いたいのか?と言うと今回の映画のお話に繋がっていくわけです。

あらすじ

西暦2740年。
連邦捜査官のヴァレリアン(デイン・デハーン)とローレリーヌ(カーラ・デルヴィーニュ)は宇宙の平和を守る任務に就き、銀河をパトロールして回っている。
ふたりは“アルファ宇宙ステーション”へと向かう。そこは長い年月を経て拡張を続け、あらゆる種族が共存する“千の惑星の都市”として銀河にその名を知られていた。
しかし、その深部には邪悪な陰謀と、宇宙の歴史から抹殺されようとしていた“秘密”があった……。
果たしてヴァレリアンとローレリーヌは“千の惑星の都市”と銀河の危機を救うことができるのか―!?

Filmarks

評価

満足度★5(星10段階評価)
:自宅鑑賞

あっさり感想

・デイン・デハーンのプロポーズ大作戦!
・究極のデザインアイデア資料!緻密な構想に圧巻。
・低評価を鵜呑みにして素通りするには余りにももったいない作品だ。

ガッツリ批評

とにかく事前の話題に欠かない作品だ。(自分調べ)

監督は言わずと知れた名監督リュック・ベッソン。

ヴァレリアン

主演には「スパイダーマン」や「クロニクル」、またPRADAのメンズモデルなどでも活躍する男前デイン・デハーン。
そして「キッズ・イン・ラブ」でその存在感から脇役にも関わらず日本版ポスターのどセンターを獲得したカーラ・デルヴィーニュ。めちゃくちゃ可愛い。(自分調べ)

更にはフランス・アメリカ・中国・ドイツ・アラブ首長国連邦の衝動合作という『国連が作ったの?』とツっこんでしまいそうな聞いた事のない各国共同制作作品。

フィフス・エレメント

「フィフス・エレメント(1997)」で当時スクリーンに映し出される色鮮やかな世界観はそれまでどちらかといえばモノトーンでグランジな世界観に落ち着いていたボクのSFの世界観をいい意味でぶち壊してくれたし妖艶で酔いしれる要素に溢れる物語に心躍らせた記憶が未だに残っている。

あれから20年以上の時が経ち、更にSFの世界観は現在渋滞状態だ。2010年代後半は「ターミネーター」や「エイリアン」「スターウォーズ」など既存のSF作品のリメイク・リブートが続き、飽和感が否めない。

そんな中「全く新しい世界観のSF作品に手を出す」という企画の実現には金も頭も使う気の遠くなるようなミッションだったと思う。

ヴァレリアンコミックス

ちなみに本作の原作であるフランスSFコミックは1967年に刊行されており、『この作品がなければスターウォーズは生まれていなかった』という嘘か真か逸話が残る伝説的な作品とのことで、原作ファンであった監督の熱意により、多額の予算を割いて制作されたものの、公開後は総評や興収が結果的に大きく振るわず「失敗」の烙印を押された形になったそうだが、

《その言葉を鵜呑みにして本作を素通りしていく事はあまりにも勿体なさすぎる映画への愛や技術が詰まった作品》

に仕上がっている。

ど頭約5分間のモノローグでは1970年アポロ号カプセルとソ連ソユーズのドッキング映像から始まり、物語が展開する舞台となる「アルファ宇宙ステーション」が完成する28世紀までの宇宙年表をデヴィド・ボウイの”Major Tom”のBGMに乗せてコンスタントに歴史を語るシーンの移り変わりには僕たちが生活する時代から一気に未来のSFの世界にトリップさせてくれるような高揚感があり「うおお」と思わず声が漏れる興奮があった。

ネタバレ解説をするにはあまりにも長尺過ぎるボリュームではあるうえに、確かに物語自体の魅力には欠ける部分も否めないため、1点だけこの作品の魅力を語るとすれば『あらゆるデザインの美しさ』に尽きる。

・数百もの衣装デザイン

・数千ものキャラクターデザイン

・幾多ものガジェットデザイン

・観たことのない乗り物デザイン

・刺激的な武器デザイン

・哲学的な宇宙生物デザイン

etc…

ありとあらゆる「デザイン」が物語の中に存在する多種多様な異星人の歴史や文化、生態などを徹底的にモデリングしており、そのうえでの素晴らしい造形の数々に触れることができる。

例えば「衣装」と言う1点でこの映画を観てみるとする。

ヴァレリアン

「全く新しいファッションアイテム」を定義する上で、デザイナーはデザインを生み出す過程の中で、その衣装がどのような場面でどのような機能を果たすのかを定義しなければならない。

たったの10年、20年。日本のファッションの歴史だけを見て取っても短期間でその定義やスタイルは大きく移り変わっている。その歴史の7世紀先をイメージしなければならなないわけだ。

SFという特殊な世界観の中ではありながらも、28世紀という想像もつかないが『辿り着け得る先の未来』でヒトはどのような衣装を身に纏うのか?はたまた異星人たちにはそもそも衣装という概念があるのか?なぜ知能を持つ生物は衣装を纏うのか?

ヴァレリアンの世界観にはこのように「衣装」一つ取り上げただけでもどれほどの検証が行われたのかと思うほどの『見たことが無い想像もつかないファッション』で溢れている。

世間一般に広く流通するファッションアイテムにはその定義が明確化されてきたことで、現存する服の在り方に辿り着いたに過ぎないわけで、歴史の流れを汲んだその先端に今のファッションが存在すると言っても過言ではない。

そのファッションの在り方を異星人の数だけ定義し、想像し、デザインして、製作するという気の遠くなるような作業を実に緻密に妥協なくこなしている。

全ての種族が登場していないとは言え、設定上本作に存在する宇宙人の数は3236種族である。

いかに各種族の定義や生活感、営み、性質が丁寧に描かれているのかが「衣装」1つをピックアップしただけでこれほど掘り下げられるほどに見応えがある。デザインに興味のある方やデザインの道を志している若者たちには是非本作を鑑賞して見届けて頂きたいと思う。まさに究極のアイデア資料だ。

少なくともデインデハーンをも虜にするリアーナの七変化シーンは見所。色気と愛らしさ、奇抜でセクシーな衣装の数々。このシーンだけでも非常に見ものである。

ただし、先述のとおり物語自体の魅力には欠ける部分が多い点だけは正直我慢のしどころ。

解決策は「ヴァレリアン-千の惑星の救世主-」なんていう曖昧でつかみ所のないタイトルを日本がお得意の国内版タイトルに変更してしまえばすぐに解決出来る。

ボクは心の中でこの映画を『ヴァレリアン-プロポーズ大作戦-』と独自の副題を付けて納得することが出来た。

映画をどの角度から見て楽しむかはあなた次第だ。

こんな人にオススメ

・デザインなー思考な方
・デザイナーを目指している方
・プロポーズしようと悩んでいる男性諸君

作品詳細

映画「ヴァレリアン-千の惑星の救世主-」公式サイト
映画「ヴァレリアン-千の惑星の救世主-」Filmarksリンク
上映日:2018年03月30日 / 製作国:フランス / 上映時間:137分
ジャンル:アクションアドベンチャー・冒険SF

以下のリンクで、カーラ・デルヴィーニュも出演する作品をレビューしております!

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