2018-10-27

【出産立ち会いの記録】第1話「ついに陣痛が来た!」

まえがき

出産体験レポをボク目線「夫目線」で書きました。
陣痛の始まりから産まれるまで全5話で書いていきます。
(2018年10月27日より毎日1話更新。10月31日に最終話となります。)

ボクは本当に幸いな事に、奥さんの陣痛から出産に至る最後の最後まで立ち会うことが出来ましたが、
仕事の都合などで立会いがしたくても実際中々立ち会うことが出来ない旦那さんもおられるかと思います。
今回奥さんの初産に際して、出産の具体的な壮絶さや奥さんの懸命な戦いを目の当たりにし、育んだ生命を迎える壮大なドラマを知ることが出来ました。
これも幸いな事に母子共に健康で無事に出産を終える事が出来たことにも深く感謝しています。

もしこれから「ボクは大切な人がその時を迎える時、必ず立ち会いたい」と思われている方がいれば、そんな方たちの為に少しでもこの体験記が参考になれば幸いです。
痛みや苦しみは奥さんの中にしかない孤独な闘いです。
寄り添う事しか出来なくても、家族を想い懸命な姿勢で必死に寄り添う事が大切だと思います。
(「頼むから立ち会わないで」と念押しされている場合は別ですが。笑)
このブログに辿り着いて頂いた方々のその時が素晴らしい奇跡の瞬間となりますように。

陣痛の始まり

自動給餌器の中身が空になっていたらしく、カチャカチャと皿を叩き続ける猫のミゼ君の催促をくらい奥さんがカリカリを補充している物音で目が覚める。西の空はまだ濃い紫色に包まれ東からの穏やかなオレンジがほんの滲むほどの早朝。僕はそのまま再び夢の中に沈んだ。そこまではいつもと変わらぬ朝だった。

ニャオーン!ニャオーン!とミゼが再び鳴き始める。カリカリを補充した後、奥さんも二度寝に入ったようで隣で横になりながらスマホを触っているようだった。どうしたものかと起床予定の時間よりも早々にそのまま布団を出てミゼを抱え上げ、リビングのソファでぼんやりと過ごすしていると奥さんが寝室からのっそりと現れ、体調不良を訴えた。

「え?気持ち悪いの?」

「うん。。。」

「それってもしかして陣痛じゃない?」

予定日は8日後ではあったが、既にいつお産が始まってもおかしくはないと伝えられていたので互いに気を張っていた時期ではあった。

実はカリカリを補充していたタイミングでその予兆があり、もしやと思い陣痛間隔をアプリで計測していたそうで、スマホの画面を見せてくれる。この時点で既に約4分間隔で2分間の陣痛に耐えているという状況だった。

病院で受けた産前教室では
1.おしるしの確認
2.破水の確認
3.10分間隔に陣痛が狭まった時
これらいずれかの状況で「産科病棟に連絡を」と指示されていた。

えっと、あれ。これって10分間隔とかいう話通り越してない?

陣痛が初期陣痛から感覚が徐々に縮まりお産に向けて体内にアラーム的に警鐘を促すと聞いていたが、果たしてこれが陣痛なのか、奥さん自体も未経験な出来事のため半信半疑となっていたらしく互いに4分間隔がどのような状態のものなのか判断が付かずにいた。しかし、幸いにもこの日、産科病棟での助産師定期検診日と重なっており9時の診察に向けて予定を組んでいたのである。

万が一陣痛であったとしても安心、逆に陣痛じゃなかったとしても検診を受けられるということで絶好のタイミング。
ミゼが鳴いてくれた事で家族揃い踏み。なんという連携プレーか。

一先ず一度奥さんから病院に連絡し状況を伝えると、時間も時間なのでそのまま予定通り9時に外来受診を行う流れで受付してもらい、念の為そのまま入院の可能性もあるので入院準備も持参くださいとの事ですぐさま段取りを進める事にする。

依然、奥さんの陣痛は4分間隔で母体に警鐘を促し続けていた。辛いとは聞いてはいたがやはり陣痛が始まるとその鈍い苦しみに身動きが取れなくなるようだ。その重みに耐え、収まってからも約30秒間は疲労で身体が動かせず、始まる30秒前も予兆で身体が強張りここでも身動きが取れなくなる。つまり、陣痛の間約3分ものわずかな時間で支度を整えなければならない。そしてその3分間でさえラクではない。時間の経過とともにその重みも増してきているようだった。

「万が一急な体調変化もあると怖いから出発できるように準備をしようか」と入院セットの準備や、カーシェアの手配、家のゴミ出しの準備などを進める。
苦しみに耐えながらもどこか覚悟を固めた形相で奥さんが真っ先に取り掛かったのはメイクだった。それで気が紛れるのならバッチリめかし込むが良い!と出発に向けてそれぞれの行動に移る随時時計を睨む。

幸い入院準備も正産期に入る前に整えてくれており支度はその荷物を取り出すだけであっという間に済ませる事が出来た。備えあれば憂いなしとは正にこの事である。

またこの日の為に時短メイクを妊娠中に研究したという奥さんの表情はたった15分でパッキリ鮮やか勝負顔に。しかしまさかこの後、病院で「なぜメイクをしてきたのか」と怒られ、看護研修生にメイク落としの手間をかけさせる事になるとはこの時知る由もなかった。

【いざという時のポイント】

・入院準備は早めにパッキングしておこう!
・病院にはスッピンで行こう!
・マニキュアも落としておこう!
・ペットのご飯の補充は忘れずに!

【出産立ち会いの記録】第2話「入院、そして立ち会いがスタート」

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