2019-01-08

『コップ・ベイビー』鑑賞レビュー(ネタバレあり)

明けましておめでとうございます。
どうも、こんにちは。McFly ( @HI-ENDBLOG ) です。
年末年始はいかがお過ごしでしたか?私の方は生まれて3ヶ月を迎えるベイビーと毎日近所のイオンに通う日々で幸せに過ごしておりました。
ほんとね、産後数ヶ月でも外出圏内って徒歩15分圏内が限界ですね。近所にイオンがあって良かった。イオン最高。

そんなわけで今年は「赤ちゃん映画」からレビュースタートです。
※下記、【ガッツリ感想】には映画本編の「ネタバレ」が含まれます。ご注意ください。 

あらすじ

潜入捜査に失敗した組織犯罪課のクロモフ警部は、占い師の呪いによって環境課に勤めるオレグ巡査部長の赤ちゃんと体をすり替えられてしまう。 

元の体に戻す為には三合会のチェン 通称“ドラゴン”と呼ばれる、最も危険な犯罪組織のボスを捕まえなければならない。 

頼れるのはドジなパパだけ。2人で力を合わせて、不可能なミッションを遂行することはできるのか!?

評価

満足度 ★2 (星10段階評価)
:DVD鑑賞(字幕版)

あっさり感想

・ロシアのなんでもありコメディ
・ちっさいおっさん劇場
・女優が可愛すぎる件

ガッツリ批評

去年末に我が家に子供が生まれたこともあり、なかなか映画館に行く時間も作れないかと思いしばらくはレンタルシネマウォーズでもするかな!と。
そこでせっかくなのでタイトルに「赤ちゃん」だったり「ベイビー」だったりが入っている映画を今年はチェックしていこうかなと思ったり思わなかったりのその第1弾。

選んだ作品は「コップ・ベイビー」

あらすじを軽く読んでも「は?」な物語だが、観ると更なる「はぁ?」と混乱の荒波が押し寄せ、よもやプロの映画人が考えたとは思えないおバカなシナリオに頭を抱えることになった。

大前提としてこの映画は「特殊能力赤ちゃんもの」ではなく「赤ちゃんと魂入れ替わりもの」であるにも関わらず『なかなか入れ替わらねぇーっ!』という致命傷。

既に冒頭から入れ替わり済みの入れ替わり超大作である「君の名は」の潔さが痛快だったものの、事コップベイビーに関しては「本当に赤ちゃんが出てくるのか」さえ不安にさせられる始末。

ザックリと序盤のあらすじを解説すると、ベテラン警部クロモフ(おっさん)が潜入捜査の最中に全くの想定外の外野からおとぼけ警察官オレグに立ち入られてしまったことにより潜入作戦が水の泡に。シンジケートからの銃撃による致命傷を負ってしまう。

命からがら目覚めたところ、偶然同じ病院で出産を迎えた例のおとぼけ巡査の奥さんの赤ちゃんとなぜか魂が入れ替わってしまいクロモフは新生児としてオレグら夫婦に大切に育てられる事になる。可哀想なことに赤ちゃんの魂は致命傷を経て意識を回復したクロモフの身体に入ってしまったようだ。お腹の中で十月十日成長した赤ちゃんにとっては大迷惑なお話である。

そんなわけで中身はオッサンにも関わらず体は赤ちゃんなので、生後1年を迎えるまで喋れない・動けないの制約の中、裏組織のシンジケート撲滅のミッションを果たすべく檻の中(ベビーベッド)で作戦を企てつつ、ゆっくりじっくりと365日かけて赤ちゃんオレグは成長してゆく。

ここまで聞くと「なんだコナンみたいで面白そうじゃん」となるフックが山積みのようにも感じられるんだけれど、主題の赤ちゃん刑事のお出ましに30分以上もの時間を要してしまっているのである。二枚目歌舞伎役者でももう少し早く出てくるレベル。

そんな焦らせ屋コップ・ベイビー、実はロシアのコメディ映画なのである。

ロシア映画と聞けば「スパイもの」がポンと頭に浮かぶくらいのお堅い国民性を思い浮かべていた僕の考え方がステレオタイプだったなと実感させられたほどに、この「コップ・ベイビー」は見事なまでに『おバカ映画』に仕上がっている。

普段なら「見るんじゃなかった!」と後悔しそうなシナリオの無駄さや、キャラクターのしつこさも「これはロシア映画なんだ。ロシアでイットの次に大ヒットしたコメディ(ジャケット調べ)なんだ」という碇シンジ君ばりの使命感を背負いつつその1点で集中力を欠さずに見届けることが出来た。

とにかく一番「バカだなぁ」と笑ってしまった設定が、
魂の憑依先が赤ちゃんの体なので、喋り始めるまでに「1年」の成長を要したという点。しかも1歳の誕生日を迎えた矢先に流暢に喋ったり、潜入したり、銃を撃ったりとやりたい放題。もはやただのちっさいおっさん劇場である。池乃めだかと何が違うというのか。

さらには裏組織のシンジケートのボスを捕まえることが、この魂入れ替わり問題の解決の糸口になるという医療業界も驚きのとんでも設定に真面目に乗っかるキャラクターたちに、観ているこちら側も乗り続けなければならないという苦行。

さてはこの映画ロシアの潜入スパイを拷問するために作られたのか?と思うほどに退屈な物語が終始展開される。(ドラッグでハイになるエピソードはロシア版イッテQを観てるのかなと思ったほど)

本作、脚本を「アトラクション-制圧-」のアンドレイ・ゾロタレフが担当しているらしく、この作品もロシアのイメージを払拭するようなSFアクション映画で去年も年始に見つけて驚いたことを思い出す。あの映画を見たときに感じた「間延び感」を今回も味わう事になった。

映像技術は向上しながらも、シナリオの構成力に欠ける新鋭ロシア映画の問題点が浮き彫りになった。

さて、この映画の1番の功績はこのコップ・ベイビーを出産することになる母親役の「Lisa Arzamasova」の存在。アン・ハサウエィに匹敵するほどの可愛らしさで画面に目を奪われてしまった。

日本では彼女に関する情報も数少ないようで、名前の読み方も分からない始末。ネットの力を駆使して見つけた彼女のインスタグラムをここにリンクしておく。

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A post shared by Лиза Арзамасова (@liza_arzamasova) on

うーわ。かわい。

彼女のちょっとしたサービスカットもありながら、映画で久しぶりに「ネグリジェ」を観たなぁという2つの意味でドキッとさせられるシーンもあったりと、ロシア映画もあの手この手で映画の世界進出を図ろうとしている動向が垣間見えた。

ちなみに今、日本の市場ではこのどうしようもないロシア映画をプロ声優の吹き替えで盛り上げていこうという動きもあるようだ。素晴らしいアイデアだと思う。吹き替えで見りゃ良かった。

「ロシアのコメディ映画」というこの1点だけでおすすめしたい作品。
「ロシア」が更にわからなくなります。

こんな人にオススメ

・B級シネマオタク
・外国映画オタク
・可愛い女優発掘隊

作品詳細

Filmarks「コップ・ベイビー」リンク
2017年製作/ロシア/上映時間;95分/ジャンル:コメディ

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